屋上防水工事の完成(下地処理からウレタン防水通気緩衝工法作業完了まで)
前回は、手すり壁や鉄扉等の塗装工事をご紹介しました。
今回は、屋上防水の作業をご紹介します。
まずは、既存の伸縮目地の撤去および
バッカ―+ウレタンシール打ち処理を行います。
ポイント
伸縮目地:保護モルタルの亀裂の防止のために作る目地です。
その後、カチオン系樹脂モルタルを全面に扱き込み、
下地を強化するとともに、これから行う防水層との接着性を良くします。
また、防水には重要な「シームレス」を作り上げるために
ドレン(排水口)部分の処理も重要な作業です。
既存の金物のカバーを外し、
改修用ドレンを取り付けます。
改修用ドレンは、
鉛の板に塩ビ製のジャバラのパイプが接続されているものです。
なぜ、この改修ドレンを設置する必要があるのかというと、
雨樋の切り口と屋上躯体との接続部分が、
経年の劣化により接続不良となり、そこから漏水の危険があるためです。
そこで排水口から雨樋の中ごろまで連続したジャバラ管を通してしまい
雨水等が接続部分を通らないようにするのです。
次は、床面に「通気緩衝用のマット」を敷き込みます。
マットを敷き終わりましたら
専用扱き材にて、マットの上を扱き込みます。
これで、下地との付着が強化されました。
そのあとは、脱気等の設置です。
ポイント
脱気等は、どこに取り付けれは良いのでしょうか?
取り付ける位置は、水上で、既存目地の交差している部分が理想です。
そこに設置することで、躯体下に滞留している湿気が
脱気等からうまく抜けてくれるようになります。
前の工程の扱き込み作業の前に
取り付ける位置に印をしておきます。
扱く時に、そこをつぶさないようにして
扱き込み作業が終わった後に穴をあけます。
そして、取り付けます。
脱気等を取り付けた後の処理を次に行います。
メッシュシートを筒の円形分くりぬき
コーキングでしごき、貼り付けます。
そして、ほかの細かい部分の処理をご紹介。
まずは、手すり壁のモルタル製笠木部分。
床面と同じように、カチオン系樹脂モルタルを塗りこんで
次に、メッシュシートを貼ります。
笠木のように塗幅の狭い部分は、直に防水材を塗り込むと流れてしまう恐れがあるために、
しっかりとした厚みの確保ができない可能性がありましたので、
今回は、このような下処置を行いました。
そして、防水材を塗込みます。
上記防水層の塗りを2回行い、
トップコートを塗布して、笠木の部分は完了となります。
次は、床面端部(入隅部)処理につてです。
ほかのブログでもご紹介していますが、
入隅部分は、防水層の肉厚を確保と増強の目的で
ウレタンシールを打ち込みます。
また、シール打ちの前には、メッシュシートを貼り込みます。
そのあとに、笠木と同じように
ウレタン2層+トップコート塗布を行い
防水工事の完了となります。
※今回は、下地の暴れが大きかったために。
再度、もう1層ウレタン防水層を流し込みました。
そのために、通常より厚みのある防水層となりました。
施工前の写真 ↓
施工後の写真 ↓
お客様には、大変喜んでいただきました。
この時が一番私どものうれしいときです。
作業にかかわったみなさん
本当にご苦労様でした。
今回の防水工事の工程見本板を掲載します。